UW-06 タクティシアンサイクロナス レビュー
「幽霊となったワシは強い怨念が究極のエネルギーとなることを知った」
「トランスフォーマーユナイトウォリアーズ」より怨霊破壊大帝グランドガルバトロンの合体の中心となる破壊大帝ガルバトロンの忠臣、航空参謀タクティシアンサイクロナスをレビューしていきます。
タクティシアンサイクロナスは『トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ』の戦いを生き延びたサイクロナスの強化された姿です。2021年に地球で要塞参謀ガルバトロンの怨霊に憑依されたサイクロナスはガルバトロンの指示に従い、かつてサイバトロンとデストロンが手を組みユニクロンを封じ込めたというトリプルZポイントで新たな軍団を手に入れます。そしてコンバイナーとしての力を得たタクティシアンサイクロナスは怨霊破壊大帝グランドガルバトロンへと合体し、復興に向かうセイバートロン星を支配すべくサイバトロン戦士を強襲します。ユニクロンの隠された計画が密かにに進んでいることを知らずに・・・
元々のサイクロナスは、『トランスフォーマー ザ・ムービー』及び『戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマー2010』に登場するデストロン航空参謀です。『ザ・ムービー』のサイバトロンシティ攻防戦で負傷したことでスタースクリームを始めとした比較的軽傷のデストロン兵士たちによって宇宙へメガトロンと共に捨てられたジェットロンのスカイワープ(加えてインセクトロンのボンブシェル)がユニクロンの手によって蘇ったメガトロン=ガルバトロンの新たな軍団のメンバーとして強化された姿です。誕生シーンではスカイワープとボンブシェルが強化された2体存在しましたが、誕生シーン以後は1体になっています。(それはスカージに対するスィープス軍団と同じくサイクロナスにも同型の部下のアルマダと呼ばれる軍団が与えられるという予定だったらしいです。)
その流れで『ザ・ムービー』劇中ではガルバトロンを乗せられる巨大SFジェットに変形。ジャンキオンでウルトラマグナス達に総攻撃を仕掛けました。また、その時点ではユニクロンの意思をガルバトロンに代弁するそぶりも観られましたが・・・
『2010』(season3)では、前任の航空参謀がニューリーダー病を患っていたのに対し、対照的にユニクロン戦争後リーダー不在のデストロン軍団を惑星ジャールで決起させ、ユニクロン戦争でロディマスコンボイによって宇宙(一時東京)に投げ飛ばされて頭を打ち付けてしまったことと溶岩風呂に長時間漬かっていたことで正気を失った新破壊大帝ガルバトロンに忠誠心を持ち続け、凶暴になったガルバトロンへの信頼を失ったデストロン軍団を纏め上げた武人として描かれました。
ライバルはサイバトロン永遠のNo.2であるウルトラマグナスということになってますが、『2010』本編ではガルバトロンがウルトラマグナスをライバル視するシーンが見られ実質的なライバルはロディマスコンボイだったりします(笑)。
『2010』の迷エピソードの一つ第17話「クモの巣惑星」ではガルバトロンを元に戻すため宇宙の精神病院である惑星トーキュロンへとサイバトロンが出たと偽の情報をガルバトロンに伝えて連れていき、入院させます。しかし、ガルバトロンは理想の上司時代のように戻ることなくむしろ悪化。トーキュロンでもガルバトロンの狂気を許容できなかった結果、ガルバトロンはトーキュロンを破壊。その破壊のエネルギーをサイバトロンへと向けさせて事なきを得ようと苦労しています。
season4にあたる『ザ・リバース』にも登場し、ターゲットマスターとなってネビュロン星からサイバトロン星(セイバートロン星)に帰還しますが、ガルバトロンに大目玉を喰らいます。(その後ガルバトロンがロードザラクと手を結んだことで不問になりますが)
『ザ☆ヘッドマスターズ』では・・・こんなのサイクロナスじゃないよ(´・ω・`)
管理人は『ザ☆ヘッドマスターズ』自体は好きなんですが、「そして、2011年」だの「コンボイ長官」といった前作までの流れに強引に日本独自の設定を加えてしまったところがどうにも受け入れられないんですよねOrz
どうせならもっと設定を崩せというか繋げるなら前作の設定を守れというか・・・中途半端さに今はまだ納得ができていないんですよ。
と言いつつ、結構好きな『2010』のサイクロナスが進化した姿として今回はレビューしていきます。
ロボットモード
Combiner Warsのシルバーボルト型のリデコ品です。
変形の都合上、頭部のウサ耳は小さいのは仕方ありませんが、それでも色(劇中より赤味が薄いですが・・・)と独特なウイングの形状でサイクロナスであると認識できます。
肩や膝の形はシルバーボルトと同形状なので見比べるとリデコなんだなと納得できてしまいますが、流用基と同じく肩と肘、股関節の可動はラチェット関節なので、ある程度ポーズの固定が出来ます。
腹部からはタカラトミーモールのUW-06 怨霊破壊大帝ガルバトロンの商品ページに掲載されていた「THE TRANSFORMERS UNITE WORRIORS」(※残念ながら「THE TRANSFORMERS UNITE WORRIORS」の第一話は商品ページが削除されてしまった為、現在は読む手段が無くなってしまいました)と同じくガルバトロンの頭部を引き出すことができます。
お腹から出てきた上司の頭と話をする中間管理職の絵・・・とてもシュールです。
脚部にはグランドガルバトロン時の胸部パーツが
ここの変形が管理人は割と気に入ってます。
武器はシルバーボルトと同型のものですが、クリアオレンジで成型してあるおかげで印象が異なります。
ライフル
グリップはクリアパーツで成型されていますが、金属パーツの芯が通っているので耐久性は問題ありません。
ハンドガン
こちらもグリップに金属製の芯が通っています。
形状的にターゲットマスターの面影を感じます。
ジョイント穴にはアームズマイクロンをアームズアップさせることも可能です。(不格好に見えてしまいますが)
トランスフォーム!
ビークルモード
SFジェットへと変形。『2010』のサイクロナスは曲線系のSFジェットへとトランスフォームしていましたが、スペリオンのリデコということもあって角が多くなっています。
機首下には着陸脚(ランディングギア)が造形されており、引き出すことが可能です。(位置的に機首が先に地面にめり込んでそう)
コクピットは展開できないので劇中のようにガルバトロンを乗せたりは出来ません。
管理人的に惜しいポイントがこの部分。
下腕側面から拳裏へ差し替え変形となっています。
着陸脚を畳めば武器Aを装備可能。
機首下に武器を持ってくるのはやはり格好いい!!!
武器Aにもランディングギアのような造形が見られます。
メガ「サイクロナス君~乗せてよ~」
ナス「メガトロン様、申し訳ありませんが、羽に捕まっていてください。」
次シリーズとなる「Titans Return」のタイタンマスター(ヘッドマスター)とのサイズ差はこのぐらい。搭乗こそできませんが、ビークルでのスケール感は結構近いです。
以下、適当写真
二丁構え
第17話「クモの巣惑星」を再現
「あの、お待ちを。ガルバトロン様、落ち着いてください。サイバトロン共をやっつけるにはまず作戦を・・・」
ガルバトロン「えぇ~い、この臆病者MEGA!」
「まだ終わったわけではないぞサイバトロン!
覚えていろよォ!この次こそは必ずこそ仕返しを!!!」
スカージ「その言い方、ガルバトロン様にそっくりだぜ」
救出してから16話の間、異常な行動を執り続けるガルバトロンの傍に居続けただけあって、ガルバトロンのビョーキが移ってきていたことを自覚するサイクロナス。
クインテッサ「あのガルバトロンの病気を治せる所があるのだ。その場所がどこか聞きたくないか?教えてやってもいいぞ」
「本当にガルバトロン様を元に戻せるならな!だがお前らは信用できん!(かと言ってこのまま放っておくのもなぁ・・・)」
モーターマスターやスィンドルにはガルバトロンをどうにかしろと脅され、ガルバトロンをどうにもできない板挟み。心労が伺われます。
ガルバトロン「おい何処だ、どこにおるんだ!何処にもサイバトロンはおらんぞ!」
政宗「これはサイクロナスの策略なのだ」
「お、おそらくその・・・我らの接近に感づき、隠れたんでしょう(震)」
惑星トーキュロンにガルバトロンを誘導するサイクロナス。ちょっと可哀そうです。
ガルバトロン「よくもサイクロナスめ!この裏切者めが!覚えておれ!」
「ガ、ガルバトロン様!」
これまで尽くしてきて、さらにはガルバトロンの為を思ってトーキュロンに嘘をつきながらも連れてきた忠臣サイクロナス。流石に「裏切者め!」の一言はショックだったのでしょう。
本当にガルバトロンへの忠誠が厚いことがわかります。
悪のリーダーが忠誠心の塊な部下に精神病院に入院させられるという脚本がある意味病気な『2010』の第17話「クモの巣惑星」。
是非一度でいいので見ることをオススメします!
「グランドガルバトロン合体!諸君、俺に力を貸してくれ!」
以上、「トランスフォーマーユナイトウォリアーズ」のUW-06 怨霊破壊大帝グランドガルバトロンのボックスセットより航空参謀タクティシアンサイクロナスでした!
あの新破壊大帝ガルバトロンが怨霊破壊大帝グランドガルバトロンとして蘇ると聞いて興奮してタカラトミーモールで購入しましたが、まさかガルバトロンはガルバトロンでも要塞参謀の方だったとは・・・実際に遊んでみるとコンバイナー形態も好きなんですが、タクティシアンサイクロナスの方がもっと気に入ってしまい、LGガルバトロン様の御側に置くことが多くなっていたり・・・ここまで来たらスカージにも手を出したいと思いつつ財布の紐をキュッと占めてしまうジレンマの中に入っています。
30年も昔のG1シリーズがこのような奇抜なギミックを取り入れてリメイクされることもすごいですが、今でも続くキャラ人気というのは凄いこと。悪役の副官にもかかわらず合体して上司の姿を取るというのは本当に面白いギミックです。そして、合体機構があるにもかかわらず単体としてのロボットモード及びビークルモードも成立しており(若干カクカクしてますが)、一部パーツのリデコだけでサイクロナスのイメージを捉えているのも感動的です。
「Generations」シリーズの中で「Combiner Wars」の展開は国内外共に下火になってきて、UW-EX バルディガスをもって「ユナイトウォリアーズ」も展開が終了してしまったようですが、その後継シリーズである「Titans Return」の勢いは未だ劣えていません。このままG1シリーズのトランスフォーマーをリメイクしていってほしい!そして、リメイクされる機会の乏しかったオーバーロードやプレダキングといった戦士たちが現代の技術で甦るのと同時に塗装や造形がアニメ基準になった「レジェンズ」として『最後の騎士王』期間中もリリースし続けて欲しいと願うばかりです。